それでは、さっそくドラム譜を作ってみましょう。
LilyPondでドラム譜を作成するにはいろいろな方法がありますが、
まずは基本的な方法から
ソースファイルの先頭に
\include "drumpitch-init.ly"
という文を挿入してドラム用の設定を読み込むようにします。
\score{ \note{ \apply #(drums->paper 'drums) \context Staff << : この間にドラム譜を記述します。 : >> } }
※"Staff"とは「棒」や「旗竿」という意味で、音楽では譜表のことです。
\clef percussion
これでヘ音記号でもト音記号でもない、打楽器用の音部記号になります。
(これがないと、ドラムの音名(楽器名)が通常の音階として変換されてしまいます。)
ちなみにト音記号は「\clef treble」、ヘ音記号は「\clef bass」です。
※"Clef"とは音部記号のこと、そのまんまです。
拍子は"\time"というキーワードの後ろに分数で指定します。(そのままです)
\time 4/4 \time 2/2 \time 2/4 \time 3/4 \time 5/4 \time 7/4
あとは、あらかじめ定義されているドラムの音名(楽器名)を使用して音符を記述すればドラム譜として
出力されます。また、休符は音名として"r"(restのrですね)を書きます。
音符と音名の対応は以下のとおりです。
音価は音名の後に数字を付けて表します。
1 … 全音符
2 … 2分音符
4 … 4分音符
8 … 8分音符
16 … 16分音符
32 … 32分音符
また、音価が前の音と同じ場合は省略できます。
付点は"."(ピリオド)を、複付点は".."(ピリオド2つ)を付けて表します。
例えば次のように書くと
sn1 sn2 sn sn4 sn sn sn sn8 sn sn sn sn16 sn sn sn r4 sn2. sn4 sn4. sn8 sn8. sn16 sn16. sn32 r8
音符につける棒線のことです。
上につけたり下につけたりしますはが、指定しなければ音程によって自動的に
決められてしまいます。
ドラム譜はほとんどの場合、いずれかに指定することになります。
\StemUp … 以降の音符は全て上に棒が付けられます。 \StemDown … 以降の音符は全て下に棒が付けられます。 \StemBoth … 音程によって自動的に付けられます。
\stemUp sn4 bd hh hhp \stemDown sn4 bd hh hhp \stemBoth sn4 bd hh hhp \stemUp sn4 \stemDown bd \stemUp hh \stemDown hhp
連桁は自動的にひかれますが、指定してひかせることもできます。
(なぜか気に入らない場合が多く、この指定はよく使います。)
指定の仕方は、連桁の最初の音符の直後から、最後の音符までを[ ]で括ります。
下の例では、最初の2拍は指定なしで3拍目と4拍目でBeam指定をしています。
sn8 sn sn16 sn sn sn sn8[ sn sn16 sn ] sn[ sn ]
連符は、"\times"というキーワードに続けて分数で表現します。
例えば3連符は2/3、5連符は4/5、7連符は4/7と書きます。
「分母で指定した数の音符が分子で指定したタイムを占める」ということになるようです。
\times 2/3{ sn4 sn sn } \times 2/3{ sn8[ sn sn ] } \times 4/5{ sn8[ sn sn sn sn ] } \times 4/5{ sn16[ sn sn sn sn ] } \times 4/7{ sn8[ sn sn sn sn sn sn ] } \times 4/7{ sn16[ sn sn sn sn sn sn ] }
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