LilyPond ... music notation for Drummers

楽譜作成の基本手順

LilyPondで楽譜を作成する場合の手順は、大まかには以下のようになります。

• ソースファイルの作成
  テキストファイルにページ設定や拍子、調などの必要な定義と、 a,b,c,d,e,f,gなどの音名で音譜を書き、ソースファイルを作ります。
• LilyPondを起動して楽譜を作成
• できたファイル(PS,DVIファイルやPDF)を表示または印刷します。

ソースファイルを記述してコンパイルするという、コンピュータのプログラム開発に 似た手順になっています。 プログラミング経験のない方にとっては、とっつきにくく面倒な作業に見える かもしれませんが、慣れてしまうとマウスで楽譜上に音符を置いていく方式の市販 ソフトウェアより、はるかに使いやすく、楽譜作成にかかる時間も早いと思います。

それでは各々の手順をもう少し細かく見ていきましょう。

１．ソースファイルを作成します。

ごく簡単な楽譜を作成してみましょう。
テキストエディタを起動して以下の内容を入力してください。

\score{
    \notes{
        c'4 d' e' f'
    }
}

これを”myscore.ly”などの適当なファイル名でホームディレクトリに保存します。
ただし拡張子(後ろのピリオド以降の名前)は".ly"としてください。

２．LilyPondでソースファイルをコンパイルします。

Cygwinを起動して、シェルから以下のコマンドを実行してください。

　$ lilypond myscore.ly↓

うまく行けば、以下のファイルが作成されます。

	myscore.dvi	…	DVI形式の楽譜
	myscore.pdf	…	PDF形式の楽譜
	myscore.ps	…	PostScript形式の楽譜
	myscore.log	…	lilypondからのメッセージ

PDFファイルが出来ていなかったり、内容が更新されていなかったらエラーが出ている かもしれません。 myscore.logをテキストエディターで開いて内容を確認してください。
（エラーメッセージは".log"ファイルに出力されています）
エラーがあればソースファイルを修正して、再度コンパイルします。
(これはエラーがなくなるまで繰り返し行います。間違ってるんだから…怒っても仕方ないです)

３．楽譜を表示・印刷。

PDFファイルができたらAdobe Readerで開いてください。

このように↓出来ていたらOKです。

画面上で楽譜を確認して、良ければファイルメニューから印刷してください。 美しい楽譜の出来上がりです。
気に入らなければソースファイルを修正して、また手順２のコンパイルに戻ります。
（これも気に入るまで繰り返します。これは仕方ないですよね）

４．もっと簡単な方法

ここまで各フェーズを順に書いてきましたが、実際にはcygwinの起動=>コマンド入力 という面倒な操作は必要なく、作成したソースファイル(拡張子が".ly"のファイル)を ダブルクリックするだけで全てが自動的に行われます。
mysocore.lyファイルをダブルクリックすると、 Cygwin+LilyPondが起動され、各ファイル(PDF,DVI,PS)を作成した後、 頼んでもいないのにAdobeReaderが勝手に動き出してPDFを表示してくれます。